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令和5年を迎えて ―新年のご挨拶と抱負―

一般社団法人泉佐野泉南医師会  
会長  石本喜和男    

  新年明けましておめでとうございます。
  新型コロナ感染症は発生から丸3年が経ちましたが、未だ収束に至らず、年末年始も臨時発熱外来を設置して対応にあたるなど、厳しい状況が続きます。こうした中で令和5年の年頭にあたり、泉佐野泉南医師会の今後の運営基本方針を含め、一言ご挨拶を申し上げます。
  今、医師会で大きな関心の1つは、国が目指すかかりつけ医の在り方問題で、この先につながるのが地域医療構想です。財務省が主張してきた登録制は見送られましたが、医療機関と患者双方の「手上げ式」案は日本医師会の松本吉郎会長も容認する方向のようで、今後われわれも国民に選ばれるかかりつけ医を目指すには、更なる研修や資格取得が必須の状況にあります。厚生労働省がかかりつけ医に求めるニーズとは、1)慢性疾患の継続的な医学管理、2)日常的疾患への幅広い対応、3)入退院時支援、4)休日を含めた時間外対応、5)在宅医療、6)多職種連携、7)これら機能の「見える化」です。見える化とは、各医療機関がもつかかりつけ医機能を都道府県へ届け出て公表される仕組みで、患者側がかかりつけ医を選ぶ目安とするものです。
  松本会長は、こうした国からの要望に応える取組みとして、具体的には「日医かかりつけ医機能研修制度」の受講などの学術面と、地域医療連携の推進という2面から自己のレベルを上げ、医療機関の機能を広げることを提唱しています。実は、泉佐野泉南医師会では令和2年7月より「日医かかりつけ医機能研修制度」に着目して理事会内に生涯教育委員会をつくり、この制度に沿って学術講演会を企画して2年半研修を進めて参りました。本制度は基本研修、応用研修、実地研修の3つから成り、基本研修は84コのカリキュラムコア(CC)から構成されます。その中身はCC番号で、総論で重視される2/3医療倫理、7医療安全、8感染対策、上記1)の慢性疾患では70うつ病、74高血圧、75脂質異常症、76糖尿病、79気管支喘息、2)日常ありふれた訴えとして、20不眠、21食欲不振、26発疹、28発熱、31めまい、42胸痛、46咳、53腹痛、63四肢のしびれなど。また、3)入退院時支援、5)在宅医療、6)多職種連携は医師会地域連携室が主催する連携会議の中で、10チーム医療、12地域医療、13医療・介護・福祉の連携、29認知能の障害、80在宅医療、81終末期医療など、かかりつけ医に求められる全項目を含み、このうち60項目の研修を済ませてきました。取得した単位数は会員の研修実績となり、同研修制度の修了認定証の取得は、今後の制度運営の中で生きてくるはずです。実際すでに取得を終えた会員が出始め、今後も研修会の積重ねで認定証を取得する会員が増えることを願う次第です。
  こうして医療機関から届出のあった機能が集約されると、地域医療構想の中で検討され、「この地域では、どんな医療機能が不足しているか」を明らかにし、不足する機能を補って行けば、地域全体の医療機能のレベルアップに直結します。各医療機関がそれぞれもう一歩機能強化を図り、各自の役割を明確にして公表に至ることができるように、医師会全体で取組む所存です。
  本年も、医師会の運営になにとぞご協力賜わりますよう、お願い申し上げます。

2023年1月3日